足の親指の付け根が痛い(痛風発作)
足の親指の付け根が痛い原因について
足の親指の付け根が痛む原因には、痛風発作や強剛母斑(きょうごうぼし)があります。痛風発作は、尿酸が関節に結晶化して激しい痛みを引き起こす疾患です。主に足の親指の付け根に症状が現れます。一方、強剛母斑は、足の親指の関節が硬くなり、痛みや腫れを伴う状態を指します。どちらも早期の診断と治療が重要ですので、痛みが続く場合は専門の医療機関にご相談ください。
痛風発作
痛風発作は、尿酸が関節内に結晶化し、その結晶が免疫系に攻撃されることで引き起こされます。発作は急に始まり、特に足の親指の付け根に激しい痛みが現れることが多いです。関節は赤く腫れ、熱を持つことが特徴です。発作は数時間から数日間続き、尿酸値が高い状態が原因となります。発作を予防するためには、尿酸値のコントロールが重要であり、食事の見直しや適切な薬物療法が必要です。
強剛母斑(きょうごうぼし)
強剛母趾とは、足の親指の付け根にある関節が硬くなり、曲げ伸ばしに制限が生じる疾患です。関節に痛みやこわばりを引き起こし、進行すると歩行時に痛みが生じることがあり、痛みがひどくなると歩行困難になることがあります。主な原因は変形性関節症や足の構造異常です。治療には、靴の調整やインソールの使用、場合によっては手術が必要となることがあります。
尿酸値が高いとは?
尿酸は、体内でプリン体という物質が分解されることで生成されます。プリン体は運動時のエネルギー源の一つで、主に肝臓で分解され尿酸となります。尿酸は一時的に体内に蓄積され、その後尿や便として排出されます。健康な状態では、1日に約700㎎の尿酸が生成され、同量が排出されるため、体内の尿酸量は一定に保たれます。しかし、過食や飲酒などでこのバランスが崩れると、体内の尿酸量が増え、高尿酸血症となります。
血液中の尿酸値の目安
血液中の尿酸値 (単位:mg/dL) |
対応の目安 |
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7.0未満 | 正常 |
8.0 | 生活習慣の改善をする |
9.0 | 専門医への受診と生活習慣の改善をする |
9.0以上 | 専門医に受診し治療開始する |
※尿酸値が7.0㎎/dl以上の方は、医療機関への受診をお勧めします。
痛風発作を発症しやすい方
- お酒を好んで多く飲む方
- 糖分の多いジュースや清涼飲料水を頻繁に飲む方
- 日ごろ食べ過ぎがちな方や肥満の方
- 激しい運動を好む方
- 過度なストレスを抱えている方
- 日常的に水分摂取が少ない方
- 家族に痛風の方がいる
尿酸値の検査について
尿酸値の検査は、血液検査で行えます。採血をして血液中の尿酸濃度を測定し、7.0mg/dL以上の場合、高尿酸血症と診断されます。定期的に尿酸値をチェックすることは、痛風発作や合併症を予防するために重要です。特に痛風発作の病歴がある方や、家族に高尿酸血症の方がいる場合、定期的な検査が推奨されます。異常が見つかった場合には、適切な治療を受けることが重要です。
高尿酸血症の治療
高尿酸血症の治療は、尿酸値を正常範囲に維持することを目指します。生活習慣の改善が基本となり、食事内容の見直しや適度な運動をしましょう。
食事・運動療法
内臓類、肉類、魚介類、アルコール(特にビール)など、プリン体を多く含む食品や高カロリー食を控えます。肥満の状態は血中尿酸値を高め、痛風や高尿酸血症のリスクを高めるため、肥満解消のために日常的に運動を習慣づけましょう。
薬物療法
食事療法や運動療法で効果が得られない場合、薬物療法が用いられます。また、既に尿酸値が一定値を超えている場合、尿酸値を下げる薬物療法を検討します。尿酸値を下げる薬には、尿酸の排出を促進する「尿酸排泄促進薬」と、体内での尿酸生成を抑える「尿酸生成抑制薬」の2種類があります。
痛風発作を発症している方の場合
既に痛風発作を発症している場合は、炎症を抑える非ステロイド抗炎症薬が用いられます。この薬は炎症や痛み、発熱を抑える効果があります。痛風発作前の違和感がある場合は、コルヒチンという薬を使用することもあります。
痛風・高尿酸血症の予防について
- 肥満につながる生活習慣を防ぎ、適正体重を維持する
- プリン体を多く含む食品の過剰摂取を控える
- アルコールの摂取量に注意する
- 水やお茶、野菜を積極的に摂取する
- ストレスを溜めないように心掛ける
- 可能な範囲でウォーキングやジョギングなどの軽い有酸素運動を行う
- 定期的に健康診断を受け、適切な健康管理をする
痛風や高尿酸血症の予防には、生活習慣の見直しが不可欠です。まず、バランスの良い食事を心がけ、プリン体を多く含む食品やアルコールの摂取を控えましょう。また、適度な運動を取り入れ、肥満を防ぐことも重要です。十分な水分補給も尿酸の排出を促進します。ストレスを溜めないようにし、規則正しい生活を送ることで予防効果が高まります。定期的な健康チェックも忘れずに行いましょう。
足の親指の付け根が痛い時のよくある質問Q&A
足の親指の付け根が片方だけ痛いのはなぜですか?
足の親指の付け根は血流が少なく、尿酸結晶が溜まりやすい部位であるため、片側だけが痛むことが多いですが、痛風発作を繰り返していると複数の関節で痛風を引き起こすこともあります。急激な痛み、赤み、腫れが見られる場合は、早めに医療機関を受診することをお勧めします。
足の親指の付け根が痛い時は何科を受診すればいいですか?
足の親指の付け根が痛む場合、まずは内科を受診することをお勧めします。内科では、血液検査や画像検査を通じて痛風やその他の原因を特定することができます。
足の親指の痛みが痛風が原因か確認する方法はありますか?
痛風が原因かどうかを確認するためには、血液検査で血中の尿酸値を測定することが一般的のため、内科の医療機関を受診することをお勧めします。高尿酸血症と診断された場合、痛風の可能性が高いです。
痛風発作は自然に回復しますか?
痛風発作は通常、数日から1週間程度で自然に回復しますが、痛みや炎症は非常に強く、生活に支障をきたすことがあります。適切な治療を受けることで、痛みを緩和し、回復を早めることができます。また、再発を防ぐためには原因である尿酸の長期的な管理が重要です。
痛風は放置するとどうなりますか?
痛風を放置すると、痛みや炎症が繰り返し発生し、痛風発作が頻繁に起こるようになります。また、痛風結節と呼ばれる尿酸結晶の塊が関節や皮膚の下に形成され、関節の変形や機能障害を引き起こすことがあります。さらに、尿酸が腎臓に蓄積すると、腎臓結石や慢性腎臓病のリスクも高まります。適切な治療と生活習慣の改善を行わないと、全身の健康に重大な影響を及ぼす可能性がありますので、早めの対応が重要です。
女性でも痛風発作を起こしますか?
女性でも痛風発作を起こすことがあります。また、女性は閉経後に痛風のリスクが高まる傾向があります。閉経前の女性ホルモンは尿酸の排泄を促進するため、痛風の発症を防ぐ役割を果たしています。
コーヒーや煙草は痛風に悪いですか?
コーヒーは適量であれば尿酸値に大きな影響を与えないとされています。一方、煙草は血管を収縮させ、尿酸の排泄を妨げる可能性があるため、痛風のリスクを高める要因となります。健康のためにも、禁煙をすることをお勧めします。