クレアチニン・eGFR基準値

血清クレアチニン(Cr)

血清クレアチニンとは、たんぱく質が分解・代謝されてできた老廃物です。腎臓の機能が低下するほど血清クレアチニン値は高くなります。
クレアチニン値は腎機能を知る上でとても重要な検査値ですが、気をつけなければならない点があります。筋肉の老廃物であるクレアチニン値は、個人の筋肉量に左右され、腎機能が同じで合っても男性よりも女性、若年者よりも高齢者の方が低値となる傾向があります。また、クレアチニンは腎機能(GFR:糸球体濾過量)が50%以下に低下するまでは上昇しないため、軽度の腎機能障害の判定には適していません。

血清クレアチニンの正常値(基準値)

  基準値 異常
男性 0.99mg/dl以下 1.00mg/dl以上
女性 0.69mg/dl以下 0.70mg/dl以上

 

推算糸球体濾過量(eGFR)

血液中のクレアチニン値(Cr)あるいはシスタチンC(Cys-C)と年齢・性別から計算式を用いて腎機能(推定糸球体濾過量:eGFR)を調べる検査です。
糸球体濾過量(GFR)の世界的標準はイヌリンクリアランスですが、煩雑な検査であるため現在では日本腎臓学会が提唱する日本人による推算GFR(eGFR)が広く利用されています。eGFRは主にクレアチニン値(Cr)由来の計算結果を指すことが一般的ですが、シスタチンC(Cys-C)由来のeGFRと区別する為に、前者は『eGFRcreat』、後者は『eGFRcys』との記載で区別されます。
eGFRの数値が低い人ほど腎機能が低下しています。

eGFRの正常値(基準値)

推算GRF値(ml/分/1.73㎡) 腎臓の働き・重症度
90以上(ステージ1) 正常
89~60(ステージ2) 軽度低下
59~30(ステージ3) 中等度低下
29~15(ステージ4) 高度低下
15未満(ステージ5) 末期腎不全

この記事の執筆者

院長 藤原 信治 ふじわら のぶはる

略歴

2004年3月 国立大学法人
金沢大学医学部医学科卒業
2004〜2006年 三井記念病院 臨床研修医
2006〜2007年 新東京病院 循環器内科
2007〜2011年 新松戸中央総合病院
腎臓内科
2011〜2023年 上尾中央総合病院
腎臓内科 医長
2023年3月 NOBUヘルシー
ライフ内科クリニック開設・
院長就任

資格

  • 医学博士
  • 日本内科学会認定 認定内科医
  • 日本内科学会認定 総合内科専門医
  • 日本糖尿病協会認定 療養指導医
  • 日本腎臓学会認定 腎臓専門医
  • 日本腎臓病学会認定 腎臓指導医
  • 日本透析医学会認定 透析専門医
  • 日本透析医学会認定 透析指導医
  • 日本循環器学会認定 循環器専門医
  • 日本アフェレシス学会認定
    血漿交換療法専門医
  • 日本急性血液浄化学会認定
    認定指導者
  • 厚生労働省認定難病指定医
  • 東京都身体障害者福祉法指定医
    (腎機能障害の診断)

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